若宮さん

若宮さん

■所在地佐賀市東与賀町上町
■年代近世
■登録ID1113

若宮社は外観上神社らしい宇堂ではないが、社殿内に入ると三尊の御神体が祀られてある。中央に薬玉を持つ若宮さんの御神体があり、その両側に剣を持ち厳しい形相の男神の2体が守護し奉っている。
社殿中央の天井に墨筆で、次のことが記録されている。
「天明六年丙午歳二月吉良日
謹奉修造与賀庄上町村若宮大明神宮殿一宇信心檀武運亨通福寿増益 大匠貞富団十清次
天下泰平圓土安全万民快楽 施主当邑氏子中」
この社殿も長い年月を経たために腐朽し雨漏りもひどくなったので、昭和32年度に改修築がなされた。境内は広さ150坪に及び他の神社に比べても決して遜色(そんしょく)はない。この広い境内に、三界萬霊塔(明和年間)・天満宮(享和元年)蛇得大龍神(昭和6年)等が並び立って、寄せ宮された跡が歴然としている。その付近には槐(えん)の木やたぶの老木数本が空高くそびえており、往時の「島の中」の状況を偲(しの)ぶことができる。更に明治36年6月に中老や若者等が寄進した社前の豪華な狛犬や、昭和15年に女子青年団員の寄贈による幟の旗竿等を見るにつけて、先人の後を引き継いだ若い後継者達の愛郷の心情がうかがわれて嬉しい限りである。

出典:東与賀町史P1167