中の宮の祗園祭り

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中の宮の祗園祭り

■所在地佐賀市東与賀町
■登録ID1122

中の宮は、大日如来、三界万霊を祀り、以前は旧8月9日が例祭であったが、今は改められて毎年7月9日である。昔からこの宮は、天然痘の神様として近隣はもちろん他の町外よりも参詣人が多かった。殊に例祭の当日は、戸主や若者連中は朝からお祭り気分で、酒を飲み太鼓や三味線で大賑わいをやる。お宮の前には手踊りの舞台が掛けられ売店の茶店も各地より競って馳せ参ずる。にわか作りの出店には、子ども等が最も喜ぶ凧(とうばた)やおもちゃが華やかに飾られ、ラムネやかき氷の赤提灯が揺れる。日が暮れて踊り舞台に電燈が灯る頃には、この町の人々はもとより村の内外から参詣する老若男女が押し寄せ、人込みで境内はいっぱい。道も通れぬほどの押し合いへし合いの人出となる。この頃になると舞台では手踊りがはずみ歌もはずんで観客を喜ばせ、出店では客を呼ぶ鐘や太鼓に喇叭(らっぱ)や人声でお祭気分を湧き立たせて、祗園祭りは最高潮に達する。こうして毎年毎年と大賑わいが続いたが、各地より来る出店を半減する政策をとって、船津の祇園祭と同日に挙行したことも度々あった。

出典:東与賀町史P1176