大授の水問題

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大授の水問題

■所在地佐賀市東与賀町大授
■登録ID1168

大授の村落で一番の問題点と困難点は水利と水害で、井戸・水道・干魃(かんばつ)対策等の水に関する諸問題である。昭和15・6年度は、約1か月半も降雨がなく大干魃に遭遇した。水田の水稲はじめ畑の野菜は枯れて、花も咲かず穂も出なかった。毎日の暮しには井戸水を使用したが、それもなかなか苦しかった。昭和5年頃は第一区に、昭和8年には第三区に1個ずつの深井戸を掘って、幾ばくかの生活水を得たが、充分に満足せず六軒堀や住吉井樋を利用しなければならなかった。
こうした日照りや干魃のために、上地区とは水争いが絶えず、東与賀町に幹線水路ができるまで争った。一番水で困ったのは、水田における苗代の時で、とうとう干魃のために畑苗ですました年も何回もあった。天水といって、雨天時の貯め水をやったが、大授地区全域の生活の支えには到底充分とはならなかった。この干魃に対してその逆の大水害もひどかった。昭和28年西九州一帯を襲った集中豪雨のため約1週間から15日間も水田は1m以上の水浸しとなった。水害ともなると、上流の東与賀町全域にわたる水量がこの大搦地域に押し寄せるのである。そのために町の北部は水が引いても、この村落はいつまでも水量が残り最後になってから有明海に流出するのである。

出典:東与賀町史P1229