餅つき

餅つき

■所在地佐賀市三瀬村
■登録ID1302

餅つき用のウス(石うす・木うす)やキネ(横ぎね)は自家用として備えてあり、各家で戸別につくか、数戸がモヤイ(共同)でつく。いまでは新式の動力餅つき機でつく家が多くなったが、ウスやキネを使ってつくのには大変な労力を要する。
 新嫁のいる家庭では、特別に1斗餅の大鏡餅をつくって嫁の実家に贈る。
お鏡はトシノモチといって床の間に供えるものと、お寺にあげるもの、その他神仏・農機具・かまど・車などに供えるものを、それぞれ一かさねずつつくる。
お鏡ができあがったら正月に家族が食べる餅を準備し、最後にアンコ餅といってアン入りの餅(大福餅)やサトウ餅といって砂糖のよくきいた小豆アンをまぶした餅をつくり、残りをさらにやわらかくつきあげてショウイモチ(ショウガなどをすりこんだ醤油に小さくちぎって浮かした餅)にして、そのばで食べる。また、粟を入れた粟餅やヨモギを入れたフツ餅(モグサ餅)にしたり、カテ餅(糅餅)といってコゴメ(小米)をまぜてついた餅などをつくって、日常米食のたしに用意するならわしがあった。

出典:三瀬村史p651