蛇聟入 (その1) | さがの歴史・文化お宝帳

蛇聟入 (その1)

所在地 佐賀市三瀬村
登録ID 1334

出典資料から記載

 むかしむかし、分限者のお嬢さんのとけえ、毎晩のごと、立派か男の通うてくってじゃん。その男も金持ちじゃったて。そいで、親も娘ばくいてもよかて思うて、おお目に見とったてったん。ところが、その男の来っとば、親が気つけとらしたぎと。おかしなことにゃ、障子も開かんとけぇ、その男はちゃあんと娘の部屋さい入って来とってっじゃん。
 そいもんじゃ。親が娘に言わすことにゃ「お前のとけえ通うて来らす男は、障子ば開けぇじ、中さい入って来らすごたっばって、まさか、魔物じゃなかろうない。今夜来らしたときゃ、こっそらあと、男の着物の裾んとけぇ、木綿針に糸ば長うつけて、刺しとって見やい。」て言うて、長がかダルマ糸の付いた木綿針ば娘に持たせときゃったて。
 そうしたぎ、その晩も男の来たもんじゃ、娘は親から言われたとおりい、その男の着物の裾に木綿針ば刺しときゃったって。
 翌朝、男の帰ったあと、糸ばたどってみらしたぎと、障子の破れ目から出て、裏山のほら穴さい入っとったてぇ。そうして、穴の中で鉄針で刺された太か蛇の呻きよってっじゃん。その呻き声ばジーッと聞きよらしたぎ、「あの娘さんも、もう俺が胤ば宿しとっけん、世間も相手にすんみゃあ。桃の花の酒ば飲むぎと、子はおりっばってぇ」。て言いよったて。そいで、その娘さんが、桃ん花の酒ば飲みやったぎと、蛇の子はおりたてったん。そいけん。女は魔物の子ば産まんごと、むかしから、桃の節句の白酒ば飲むごとなっとってったん。  そいばっきゃ。
出典:三瀬村誌p.682

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