大日如来と天照大神(平野の権現社)

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大日如来と天照大神(平野の権現社)

■所在地佐賀市大和町
■登録ID2199

 大日如来を「マカビルシャナ」といい、真言密教では光明に輝く絶対の仏の意としている。金剛界大日如来(智法身)と胎蔵界大日如来(理法身)の二身があって、共に宇宙万物を育てる仏であるとされている。大日如来は高く髪を結い天衣をまとい、宝冠首飾り等をつけた美しい姿である。日本人は古来水の神、風の神、火の神、山の神等のように自然を崇拝してきた。民間信仰では日輪を仏としたのが大日如来で、神としたのが天照大神である。今なお朝起きて東方に向かい拍手して拝むのは日輪信仰の姿である。庶民の信仰の中の大日如来は疫病を退散させる本尊として祀られるようになった。大日如来の石仏、天照大神の石神は町内各所に見られ、平野の権現社境内には「天照大神宮 村中 寛文四年」の紀銘のある自然石が建ててある。地区によっては毎年4月28日「大日さん祭」又は「大日さんごもり」といって今もその祭りが行われている。戦前までは所によって伊勢講田を経営していた。応永のころから京都の公家貴族に始まり、時代が下るにつれ農村へと浸透していった。郷土でも天照大神信者による伊勢講が組織され、祭祀費や伊勢参りの資金作りに講衆によって共同稲作等が行われていた。

出典:大和町史P.569〜570

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