森の上古墳

森の上古墳

■所在地佐賀市大和町野口
■年代古代
■登録ID2229

野口礫石の敷山神社跡の南にあり、昭和18年(1943)に発見された。封土ははっきりしないが、箱式石棺が約1.2mの高さに盛られた18m平方の畠の中から発見された。石棺は南北の方向に置かれ、長さ2m、幅54㎝、高さ50㎝で、中に枕石が南と北に置かれている。北枕には男性と見られる大形人骨と、琴柱形(琴の絃を支える琴柱に似た形)石製品及び竹櫛8、南枕には女性と見られる小形人骨と国内製の素縁帯変形文鏡と竹櫛8が発見され、その外に剣、刀子(短かい刀)、鍬先、鑓鉋が出土している。この古墳は合葬墳で、特に注目されるのは琴柱形石製品である。
これは畿内の前期古墳から主として発見され、九州では唯一の出土例である。これは装身具か宝器か、その用途は明確でないが、ごく限られた人にのみ副葬され、大和朝廷へ服属した地方豪族の存在を物語るもので、5世紀後半に築成された中期の古墳とされている。琴柱形石製品と竹櫛は祐徳院博物館に陳列されている。

出典:大和町史P66〜67