高畠古墳

高畠古墳

■所在地佐賀市大和町都渡城
■登録ID2230

大正11年(1922)に発見されたが今はなくなっている。封土の径約20m、高さ約2.4mの円墳で、内部主体は小口積みの竪穴式石室である。主軸の方向はほぼ東西で、その中に長さ1.8m、幅75㎝、深さ84㎝ぐらいの箱式石棺があった。石棺の内部には両方とも東枕にした男女の仰臥伸展葬(おおむいて足を伸ばした)の形で合葬されており男が北側、女が南側であった。副葬品としては鹿角製刀装の直刀、石突5、登龍形剣、蕨手刀、刀子、鉄鏃50などの武器類、鉄鍬、斧頭2、鎌、鑓鉋などの農工具、○製内行花文六孤鏡、めのうの勾玉2、水晶玉2、細型碧玉製管玉32などの玉類、その外紡錘車(糸をつむぐ道具)や鈴4、鉄櫛、骨鏃11などが出土している。この古墳は多量の鉄製の武器や農工具の出土が注目され、これらの副葬品から司祭者的な性格を持つ地方豪族の姿がうかがえ、中期の古墳と考えられる。

出典:大和町史P67〜69