ほんげんぎょう(鬼火)

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ほんげんぎょう(鬼火)

■所在地佐賀市大和町
■登録ID2257

1月7日、朝まだ暗いうちに起出て、門前や鎮守の境内、村外れ等適当な場所を選んで火をたくがこれを「ほんげんぎょう」という。これは全国的な行事で、鬼火たきというのは鬼退治の意である。昔、宮中では清涼殿の東庭で青竹を連ね立て、扇子や短冊などを結びつけ、それに御吉書を添えて焼いた。これに対し民間では書初めの清書や門松、〆縄等を添えて焼いたのがやや形を変えて残ったものといわれている。子どもたちは前日までに山や土手に行って竹笹を刈り、それを束ねて立てたり小屋を作ったりして、翌日未明にこれに火を点じ、歳徳善神に供えた餅を焼いて食べた。この餅を食べることによって、禍を除き福を得ることを祈った。所によっては小屋の中に前夜から餅や菓子を持寄り、一夜楽しく語り合い、遊んだりして翌朝この小屋に火を点じることもあったが、これは危いので大正時代の末ごろから禁止された。また、点火してから竹竿に吉書を結びつけて燃やし、その灰が空高く上がれば上がるほど手蹟が上達するとされていた。桟敷地区では「鬼」の文字を書いた紙をくべ煙にのせて空へ高くあげるのを競うようである。竹の燃えかすのまだ煙が出ているのを拾って田んぼへさし、虫害除けのまじないにしたり、上部を三角形に折り曲げ門口に立てて魔除にする所もある。

出典:大和町史P.629〜630