大黒天

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■所在地佐賀市材木2丁目
■登録ID2525

 大黒天は、インドや中国においては古くから寺院の守護神とされ、また、豊饒を司る神として信仰されていた。わが国では大国主命と習合し、エビスとともに福神の代表的な存在となって信仰されてきた。大黒天には、甲子待ちの主尊として崇敬されているのと、福神信仰に基づくものとがあって、甲子または子の日に、夜遅くまで起きていて精進供養する行事を子待ちまたは甲子待ちといっている。甲子待ちまたは子待ちは主として農村で催されていて、県内の大黒天像の多くは農村地帯に分布している。大黒天頭巾をかぶり、右手に槌を握って右肩のところに捧げ、左手で袋の口を握り、背中に袋を背負って、2個の俵の上に立つ像で、脚が極端に短かくて、胴の下に足先だけがついているような像で、果して立像だろうかと疑念をいだかせる像もあるが、すべてが同形式の大黒天である。お顔を見ると、半月の眉、目尻の下がった細い眼、笑を含んだ口元など、典形的な福神の相である。エビスさんと大黒さんは一対をなす福神として信仰されるが、この両者の出身はそれぞれ異なって、エビスさんはわが国生まれであるのに対し、大黒さんはインドの生まれで、仏教とともにわが国に移住された異邦人である。この両者が一対となって信仰されている点は、現代風に見ると国際結婚の先駆者とでも云うべきでしょう。循誘校区内には、材木2丁目にあり、久保泉西原の大黒天は、路傍にあってとても大きく、威風堂々としている。

出典:循誘史跡探訪歩こう会(P.14)

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