市川天衝舞浮立の流れ | さがの歴史・文化お宝帳

市川天衝舞浮立の流れ

所在地 佐賀市富士町大字市川
登録ID 2812

出典資料から記載

 ① 浮立奉納日
ミソギ 天衝舞人と棒使いは神社横の川で、早朝ミソギを行い境内で足ならしと称する準備運動をする。
天衝受取り 天衝舞人の衣装の着付けは舞人の家で行うのでテースマエの家にテンツキを受取に行く。
浮立ぶんみゃー(浮立振舞)の準備 早朝から赤飯を炊き、浮立振舞の準備をする。とくにテースマエの古賀では数日前から材料を揃えたりして本膳つくりの準備をする。
打ち出し 打ち出しは午後1時ごろで、打ち出し時刻の30分ほど前にスブソの門に浮立の出演者が集まる。全員が揃えば道行きの笛が吹かれ太鼓がこれに合わせて叩かれる。ひとしきり道行きの囃子がはやされ、浮立の行列が整えられると、囃子がとまり、出演者全員に出立ちの祝い酒が振る舞われる。再び道行きがはやされマクリとなり、ホンバンが謡われる。
 囃子は道行きとなり、諏訪神社へ向けてスブソの門を出発する。行列の順序は次の通り。
 旗-高張提灯-バレン-カサボコ-棒ツキャー-ホンバンウチャー-笛-大太鼓-パンパコ-テンツクミャー-鉦打ち-モリャーシ打ち-子どもの鉦打ち-銭太鼓-扇子舞-ニワカ連中と続く。
 行列が諏訪神社の参道に近づくと、参道の下を流れる川の手洗い口に待機していたテースマエ古賀の古老が、長い真竹の笹竹の先につけた円形のハライヌサ(祓幣)を、清流の水にひたしてふりかけて行列の人々を祓い清める。これをシェートリという。行列の先頭が鳥居に近づくと笛は鳥居がかりにかわり、一行は拝殿前の広場を右回りに3回まわって円陣をつくる。この間、バレン、カサボコなどの飾り物は円陣の中央で3回まわる。モリャーシは円陣のなかで左右3人ずつ向いあって所作を続け、各役は定位置につき、笛の合図で浮立はとまる。浮立は一時休止となり、棒ツキャー、やっこ踊り、にわかとそれぞれの演技がされる。
 ② 諏訪神社での奉納
 にわかが終われば、笛頭の道行きの吹きだしにより、休息していた浮立の出演者は一斉に立ち上がり演技に入る。囃子は神の前にかわり、天衝舞人は太鼓のバチを持って左手を前、右手を後ろにして小躍りしながら右回り3回の後、拝殿正面に向かい3歩前進をする。天衝舞人が太鼓を離れているときは副太鼓打ちが大太鼓を打ち続ける。天衝舞人は拝殿正面に端座をし、祓えの所作をして3度拝礼をし拍手を1度行う。拝礼を終えて立ち上がり、太鼓を打つ。囃子はマクリとなり、舞人は太鼓を離れて小躍りしながら3回まわる。その間、テンツキの先端が地にすれすれになるまで振り回しながら舞う。2回繰り返して太鼓に近づき、副太鼓打ちが太鼓を離れると、かんぱつを入れず舞人が躍りかかるようにして太鼓を10打ばかり連打をし、そのあと早打ちとなり、エーイと掛け声をかけての一バチ高く打つとホンバンとなる。
 君万才と祈るなる 神に歩みを運ぶなり 神に歩みを運ぶなり(弓八幡の小謡)
 この間、鉦打ちは腰をおろして待機をする。
 ホンバンが終わりかけると、笛頭が笛を吹き太鼓もこれにあわせて打ち、鉦打ちも立ち上がりモリャーシ打ちなど他の役もこれにあわせて囃子をする。舞人は再び、太鼓を離れてさきの所作を同じようにくり返し、舞人の最後の太鼓でホンバンがはじまる。
 風もうそむく寅の刻 神の告げをも待ちてみん 神の告げをも待ちてみん
 (老松のワキの待謡)
 再び、同じ所作の繰り返しで3回日のマクリが行われる。
 千代の陰ふる小松原 鶴亀遊ぶめでたさよ 鶴亀遊ぶめでたさよ
 以上で諏訪神社への奉納が終わる。
 ○弁財天奉納浮立 
 天山の南中腹に祀られている弁財天への奉納は、遠方であることから諏訪神社の境内から行われる。バレン、高張提灯、カサボコ等の飾り物が行列をつくり、道行きの囃子にあわせて円陣のなかを3回右まわりにまわって再び元の位置にもどる。これで弁財天に到着したことになり浮立が奉納される。
 ○寄せ神さん奉納浮立 
 拝殿左側に各所より寄せられた石祠が祀られている。寄せ神への奉納で、弁財天奉納浮立と同じように飾り物が境内をまわり道行をして浮立が奉納される。寄せ神への奉納で、諏訪神社境内でのすべての奉納が終わり、浮立の一行は西福寺へと向かう。
 ③ 西福寺奉納浮立
 浮立の行列は、下道行の囃子にあわせて進み、先頭が山門にさしかかると、御神燈をのぞく飾り物と浮立行列が境内中央を3回まわり定位置につく。棒ツキヤー、奴おどりと行われ、ついで、浮立が行われる。諏訪神社とほぼ同じであるが、神の前の天衝舞人の拝礼は拍手をしないで三拝をする。また、マクリは寺マクリとなる。
 ○若宮さん奉納浮立 
 西福寺裏山の若宮大明神への奉納浮立で境内を3回まわって道行きをする。天衝舞人はテンツキを被らないで若宮山の方向を向いて奉納する。
 以上で西福寺境内での浮立は終わったことになるが、その年のテースマエ古賀によりその古賀に祀ってある神仏に浮立を奉納することもある。

 ④ スブソでの打ち止め
 西福寺での奉納が終われば浮立の一行は道行きをしながら。スブソに帰る。スブソの門で一マクリの浮立を行う。祝いのホンバンは
 ゆるす故にやなかなか弥増に運ぶ御宝の 千秋万才の 千箱の玉を奉る(難波)
 ホンバン方はスブソの座敷で、ホンバン三番をうたって祝い納めの区切りとする。
出典:富士町史下p.575〜p.580

関連情報

総合検索
サイト内検索

ご利用案内
comodo ssl