銭がめ

銭がめ

■所在地佐賀市富士町大字麻那古
■登録ID2902

 昔、麻那古より大串へくねくねとした細い道が続いていて、小串川へ丸木を並べた橋を渡り、しばらく行くと「かんすんつる」と呼ばれる、今で言うU字型の道を通り、それから少し行くと地面のやわらかな所に来る。
 そこを強く踏むと、地の下から「チャリン、チャリン」と音がする。この下に銭の入ったかめがあるにちがいないと思った人々は、私にもお銭が廻って来ます様にと祈りながら、「チャリン、チャリン」とかすかに聞こえる音をたしかめながら通った。
 そして、そこを人々は銭がめと呼ぶ様になった。

出典:富士町史下p.820〜p821