県営模範林

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県営模範林

■所在地佐賀市久保泉町
■年代近代
■登録ID2957

 川久保藩邑主神代直宝(鍋島直大の従兄)は、明治20年頃山林原野350町歩を川久保村に、明治38年1月山林95町余を佐賀県に寄贈した。貰い受けた佐賀県は、林業の合理的経営のテストケースとして『県営第一模範林』とした。
 早速、その年(1905)の3月から、松・檜・杉の植林を始め3ヶ年で造林を完了した。植林後の数ヶ年は地元民の協力によって、下草刈・つる切り・枝打を続け保育して来た。
 その甲斐があって、露出した山肌に緑が蘇り、大雨も急に流れ出さず、土砂の崩壊もなくなり、少々の干ばつでも川の水は絶えなくなり、久保泉の水田も潤い作物も多く獲れるようになった。
 敗戦(1945年)前後の建築資材不足の頃は、伐期令には少し早かったが3分の2を伐採した。
 〔伐期令標準は松35年、檜45年、杉40年が、伐積成長量最大のとき〕
 敗戦後の混乱で、新植事業なかばの昭和24年ジェディス台風で伐採地に土石流が生じ、西原西の谷は土砂に埋った。
 この頃は、干ばつ・洪水が続き山河は荒れた。
 昭和26年に水源かん養兼土砂流出防備保安林に編入され、逐次新植され、また下刈・つる切り・枝打ちが町民によって続けられた。
 林道も年々延長され、やがて大小野に通じるようになりそうだし、保安林だから5ha〜3ha以下の小面積皆伐方式がとられ、平成3年の2回の連続台風による倒木を教訓として、林種転換その他根本対策が考えられているようだ。
  

出典:久保泉町史跡等ガイドブックp.82〜83