蓮池の方言

蓮池の方言

■所在地佐賀市蓮池町
■登録ID320

蓮池の言葉は、この地方の独特の言葉・アクセント・訛と、佐賀地方と同じ言葉が一緒に使われている。
言葉は聞いただけで、どこの地方の人かが大凡わかったもので、昔は他藩から来た人はすぐ判別出来、蓮池藩では佐賀本藩より二文字下った方言を作ったものとも思われていた。しかし蓮池藩が作られる時、直澄公に41名の側近と、犬塚氏・小田氏・江上氏の家臣と、にしめ侍と呼ばれた塩田方面よりの人達があり、その人達の間ではお小路言葉と言われる、佐賀藩と同じと思われる言葉「オサヨウデゴザイマシタ」という様な一般農家・商家とはやや違った言葉が使われていた。
犬塚氏・小田氏・江上氏・鍋島時代と一般住民の間に受けつがれたのが蓮池の方言である。その最も基本になる特徴は、佐賀は二文字下り、蓮池は四文字下りと言われる事である。アイウエオの内で一文字目がア、二文字目がイ、四文字目がエで例をあげて説明すれば、共通語の「会いに」は佐賀だと「イャーギャー」となり蓮池では「エーゲー」となる。共通語の「差出口」は佐賀では「シャービャー」となり蓮池では「セーベー」となる。この様な四文字目の言葉使いは、蓮池に限らず小田氏・蓮池犬塚氏・崎村犬塚氏等使われていたようで、筑後川沿いでもケー言葉は使われている。また蓮池だけのものでないけれど、セをシェ・ゼをジェ・エをイェと発音する。先生をシェンシェイ・全然をジェンジェン・十銭をジッシェン・英語をィエイゴというふうに発音する。
アクセントでは柿と蠣と垣の違い、橋と端と箸の区別が出来ない。
濁るところが濁らない。1時間をイチシカン・2時間をニシカンと言う。
形容詞で3回続ける。ジャンジャンジャン・ドンドンドン・ボンボンボン・ガタガタガタ・チョロチョロチョロと言う。
遊ビゲコンコー、ウンクッボー、行くとは言わないで、来ると言う。
同じ言葉でも佐賀江を隔てれば、アクセントが違う場合もある。セントウローをふれ廻る時に、蓮池の方は始めの方にアクセントがある。また一般にそうであるように蓮池辨といっても丁寧な言葉、目上に対する、同僚、目下へ、女の言葉、子どもに対し、赤ちゃん、けなし、けんか、等ある程度の違いがある。

出典:芙蓉P.136