喜楽座

喜楽座

■所在地佐賀市与賀町
■年代近代
■登録ID454

 喜楽座は辻の堂の旧料亭万才附近にあって、喜楽舎と呼ばれていた。明治5年頃に現在の地(与賀町)へ移り喜楽座となった。芝居、浪花節、漫才等が公演された。敷地は600坪、収容人員700人の、当時としては大きな劇場であった。
 この頃から西の白山と呼ばれ、庶民の娯楽の場となっていた。その昔、この附近は野墓があり、さみしい所であった。そこへ武士の楽しみでもある馬場が出き、与賀馬場と言われていた。喜楽座が出来て、人が多く行き交うようになり、護国神社の近くにあった日の出館とともに与賀町の発展に寄与した。
 昭和40年ころまで、永い間続いたが、時代の流れには逆らえず、映画からテレビへと移り、庶民の娯楽の殿堂も姿を消し、今は建物の3分の1が残っているが、中は会社の倉庫となっている。天井の高い合掌作りの太い柱が往時の郷愁を呼び起こしてくれる。

出典:日新読本(P.228)