殿さま御成りの間(願正寺書院)

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■所在地佐賀市呉服元町6-5 (願正寺)
■登録ID530

現呉服元町の願正寺には、藩主の御成間と伝えられる書院が残されている。本堂の東側、庫裏との間に南面して建つ。屋根は、切妻造桟瓦葺、梁間は2間半で、南側に1間幅の下屋庇を降ろし、側まわり柱上には舟肘木を載せる。間取りは、西側に十畳の座敷、その東側に二十畳の次の間を並べ、南側にそれぞれ1間幅の入側線を付け、境は竹の節欄間を載せた杉戸で仕切られる。座敷は1間幅の付書院に、天袋、崩型の違棚を備え、床框は漆塗り、床構えの造作に優れる。床柱、長押は面皮付の杉村で、次の間東側にも杉戸を入れる。部屋境には上下に壁を挟んで筋欄間を入れる。
豊増龍太家(八幡小路)の造作と比較すると、柱幅、内法高、柱間、天井高など、数値的には近似をみるが、使用材料や装飾に差が見いだせ、藩主の御成間にふさわしい格式を示している。元禄15年(1702)建立の本堂があり、また本堂前の石灯籠は宝永5年(1708)の刻銘を持つので、この間に庫裏を含めて建立されたと推定され、様式から判断しても元禄から宝永頃の書院として間違いない。
佐賀城下に残された最良の書院遺構として、建築年代、建築的質、建築の由緒から見ても第一級の価値を有する。

出典:「城下町佐賀の環境遺産」91ページコピー(佐賀市教育委員会発行)

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