木造圓鑑禅師坐像 一躯 | さがの歴史・文化お宝帳

木造圓鑑禅師坐像 一躯

所在地 佐賀市大和町大字久池井 高城寺
文化財指定状況 国 重要文化財
文化財指定日 昭和25年8月29日
登録ID 5340

指定文化財

佐賀平野中央北部で嘉瀬川中流の東方春日山中腹に、春日山高城護国禅寺がある。当寺は、文永7年(1270)、久池井の地頭国分忠俊の帰依を受け、蔵山順空(ぞうざんじゅんくう)が開山した臨済宗東福寺派の寺院である。
圓鑑禅師は蔵山順空(1233~1308)の謚(おくりな)で、出生地は不明であるが、佐賀市大和町万寿寺神子栄尊(じんしえいそん)のもとで出家、栄尊に従って上洛、京都東福寺で円爾弁円(えんにべんねん)(聖一国師)に師事、鎌倉で蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)の門に入った。弘長2年(1262)に中国へ渡り、各地で禅を学ぶ。帰国後、高城寺を開山した。のち再び京都に出て、正安2年(1300)、東福寺第6世の住持となり、延慶元年(1308)に遷化されている。
像高は85.5センチメートル。桧材による寄木造りで、内刳(うちぐ)りを施し、目は玉眼とする。表面には麻布を貼り漆下地、彩色を施す。この像は剃髪(ていはつ)し、衲衣を着けて袈裟(けさ)を懸け、両手を膝上に差伸べて払子(ほっす)を執り、膝前を垂らして曲録(きょくろく)(椅子)に座る。
頭部は肉付き豊かで、後頭部には肉のたるみを表わす。目は閉じ加減、眼窩(がんか)や口元の窪みを小さくして、穏やかな面貌を作る。体部も肩の張りや肘、膝の張出しを抑える。乱れなく衣をまとい、衣のひだは細かいひだを省いて明快な強い曲線で処理する。
こうした穏やかな雰囲気は、禅の修練を積んだ順空の悠揚(おうよう)迫らぬ人格と品格を見事に写しており、鎌倉的写実の妙を示している。
頭部の内刳から宝篋印陀羅尼(ほうきょういんだらに)と般若心経に添えられた立願文が発見され、正安2年(1300)の作であることが確認された。
鎌倉時代に隆盛した禅宗では、頂相(ちんそう)と称して、開山の像が盛んに造られ、多くの優作が残されている。この圓鑑禅師坐像もその作例の一つで、数ある肖像彫刻の中でも優れた作品である。

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