本庄村史蹟めぐりの歌

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本庄村史蹟めぐりの歌

■所在地佐賀市本庄町
■登録ID842

十五畷の戦跡
天文二十二年春 十五畷の朝ぼらけ 星影淡き陣営や 空しくあせし旗幟(はた)の色 うつらう花と諸共に 益荒男(ますらお)逝きて四百年。
戦塵の跡偲びつつ 行けば程なく産土(うぶすな)の 神おはします宮ところ いつきまつれる淀姫の 深き恵はとこしへに 郷(さと)の栄や守るらん。
群立つ杉に風すみて 霊香そぞろ身に迫り 苔むす石碑往く年の 歴史(ふみ)語るかな高伝寺 御霊廟(おたまや)まもる芝草に 遠き者をたづねてん。

勇将鍋島直茂公
剛勇果敢今山に 勝鬨(かちどき)あげし勇将の 産声あげし円塚よ 樹々の緑も香はしく正義の烈士育みし 名もなつかしき西河内。
都を遠く西海の 不知火もゆる火の国に 掩(おお)へる雲を払はんと 龍造着きて二千歳。 雄々しき御名を得給ひし 尊の雄姿偲ばずや。

旗幟大内幟
肥前三十三ヶ所の 十八番の札どころ 旗幟の名残る観音寺 星霜茲に幾年か。 
名に負ふ松の深緑 昔の夢や結ぶらん。
遠き昔を想ふ時 血潮は胸に躍るなり。 
父祖の教を身にしめて 希望に生きん若人(わこうど)よ 誉と共に伝へなん 千本松の館跡。

柳河攻 慶長五年 鍋島直茂・勝茂父子 立花宗茂を討つ
妙玉寺 石井茂賢其他の墓のある所

柳河攻の激戦に 誓ひし誠一筋を 貫き通す五十年 君に殉ぜし十八士。 
花と散りにしもののふの その名伝ふる妙玉寺。
野辺の千草に秋更けて よせ来る嵐すさまじく 飯盛城の炬は消えぬ。 
物具堆みて焼きすてし 名も灰塚の跡なれや つはもの共が夢いかに。
争奪やまぬ戦国に 我が家龍氏守らんと 九十二年の生涯を 捧げ尽くししその苦節 女の身には重かりき 尼公偲ばん慶誾寺。

出典:本庄郷土読本(下巻)より 本荘の歴史P.133