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[大和町][指定文化財 佐賀県 工芸品]は2件登録されています。
大和町 指定文化財 佐賀県 工芸品
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仏具類 戒体箱 一合 説相箱 二口 如意 一柄
重要文化財
密教の儀式の際、法具を入れる名称の法具箱は正式には戒体箱(かいたいばこ)といい、また説相箱は居箱(すえはこ)と香爐箱(こうろばこ)のことをいっている。 戒体箱は戒文その他を納める法具で、居箱は次第・三衣などの法具を納め、香爐箱は柄香爐(えこうろ)をおく箱である。儀式の際、居箱は左の脇机に、香爐箱は右の脇机においた。 実相院に伝わるこれらの箱は、3合とも類似した構造で戒体箱は木箱の外側に金銅板を張り、縁は金銅の細板で縁取りし鋲止めしている。側面は輪宝羯摩(りんぽうかつま)などの金鋼製の金具を配し、中央に蓮実(はすのみ)形の鐶座(かんざ)をしつらえ丸鐶を通している。横37.0センチメートル、縦15.5センチメートル、総高16.0センチメートルで、蓋は上面に3個の輪宝と羯摩の飾り金具を配し、側面に金剛杵(こんごうしょ)の飾り金具がおかれている。 居箱・香爐箱は同大同構造で、飾り金具は戒体箱と同一であるが、横幅が広いため、床脚の格座間が横二区縦三区となっている。横36.0センチメートル、縦29.0センチメートル、高さ12.5センチメートルで蓋はない。 縁取板に「圓政寺・寶快代、天文元 三月日 重俊施 國嶋作」と線刻されており、中世末期のすぐれた工芸品として、その価値が高い。
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水上懸仏 一面
重要文化財
佐賀市大和町川上水上にある彦山権現の小祠に奉納されていた懸仏で、径37.1センチメートルの鋳銅製である。懸仏は神仏習合(しんぶつしゅうごう)の信仰から生まれた御正体(みしょうたい)がさらに新しい形式を生んだものである。この懸仏は、周縁は帯状の銅板で縁取りして鋲止(びょうど)めを施し、上方2カ所に獅子咬(ししがみ)のついた吊手が取りつけられている。御正体は薬師如来で、左右に2個の花瓶を取りつけていたが1個は失われている。また薬師如来の上方には天蓋があったと思われる鋲止めの跡がある。 薬師如来は鋳銅製で半肉彫(はんにくぼり)の背面に2個の作り出しがあって、鏡板(きょうばん)にとりつけられている。台座から肉髻頂(にっけいちょう)までの総高20.6センチメートルの坐像で台座には蓮弁の毛彫りが施されている。薬師如来は結跏趺坐(けっかふざ)し、薬壺(やっこ)を左手に、右手は施無畏(せむい)の印を結んでいる。条帛(じょうはく)・衲衣(のうえ)・裙(くん)等は鋳出しの部分のみでなく、毛彫が一部に施されている。 この懸仏は、鎌倉時代中期・文永8年(1271)に奉納されたもので県内では最も古い。当時の工芸品として、また当時の信仰生活を知る上から貴重な遺品である。 鏡背に次の墨書銘がある。 奉懸 御鏡一面 右意趣者為除平氏女三十三厄 并千代松御前御息災延命 増長福寿心中所願成就状如件敬白 文永八年七月十五日