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[富士町][ 彫刻]は2件登録されています。
富士町 彫刻
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木造薬師如来立像 一躯
重要文化財
中原薬師堂の薬師如来像は、像高161.3センチメートルで樟材の一木造りで、彫眼、漆箔で朱色の衣をまとい肉身は金色に彩色されている。右手を胸前にあげ、左手を垂下して薬壼を持つ。頭・体根幹部を両肩先から袖、足枘枘まで含み一材から彫りだしている。 彫りが深く、きびしい顔立ちは古様を重んじる伝統を感じさせ、天台宗の山岳仏教が盛んであった脊振山系の特徴を、よく表した立派な仏像である。等身大の仏像を1つの木材からほぼ丸彫りでつくり、部分的に内刳りを施している。衣文の彫出は浅く、体躯は扁平につくられ頬が張り、口唇と顎を強調した顔つきは個性的である。 薬師如来像の周りには、十二神将の朔像が並んで薬師如来像を護っている。この朔像の制作年代は不明であるが、薬師如来が祀られると同時に造られお護りをしてきたものと考えられる。薬師如来の手にある薬壺で、体の悪いところを撫でると良くなるという言い伝えもあって、遠くからお詣りする人が少なくない。 薬師如来像は、個性的な作風がみられ、脊振山系の仏教美術を考察する上で重要な作品である。
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大串社(櫛田神社)の肥前狛犬 一対
重要文化財
肥前狛犬は16世紀末から18世紀前半代にかけ約150年間、肥前地方で製作された石造狛犬をいう。弧線と直線とをもって体の細部の表現を省くという大胆な表現法で造形するのが通形である。 阿像の像高39.7センチメートル、吽像の像高38.1センチメートルで、共に安山岩製で、保存状態が良く鑿痕や銘が明瞭である。 阿像は横一文字に細く口を開け、中央から舌を僅かに覗かせており、吽像はくいしばった歯をむき出しにしている。吽像の口元正面は上下の唇を開き、その下から噛み合わせた歯並みを表現し、その側面は左右共に鋸歯状にして、前面とは変化をつけた点が特徴的である。 顔面は偏平で、横長の大きな目の下には6条の弧線が刻まれ、吽像の額には4連続する弧線からなる皺が3段、阿像には4段刻まれている。頭頂部には角と思われる小さな突起が一つある。尾は、阿像吽像共に、天を向いた剣先形の浮き彫りで表現されている。 阿吽の像とも顎下から左右前肢の間に 寛文元 奉寄進 今村六兵衛尉 八月吉日 と、銘が彫られている。