英彦山詣り

英彦山詣り

■所在地佐賀市東与賀町中割
■登録ID1065

毎年4月25日を中心に農家の男子4人が組を作り祈願するもので、服装も素朴な着物姿に草鞋がけで、てくてくと歩き続ける真剣な苦行であった。満願をすまして村へ帰り着くと、家族や村落民が産土神社に待ちうけており総出で歓迎をする。参詣者は英彦山からお土産に買って来た「へそぐい菓子」を村のこども達に振る舞ったり、参詣状況の報告をする。夜ともなればその慰労を兼ねて祈願成就祝賀の権現講が催されるのである。この英彦山詣での奇習として、参詣者がはいた草鞋を帰宅した際に抜がしてやり足を洗ってやると妊婦は安産するという奇習がある。往時の母親連中でそれを実行した人も多いとのことである。

出典:東与賀町史P1178