こぐい (小操い)網漁

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こぐい (小操い)網漁

■所在地佐賀市諸富町
■登録ID1572

まき網で、追い込み網とも呼ばれる。
網船2艘は各々、3丁櫓とオモテ(舳先)に1丁の櫓が装備されている。オモテの櫓は船の向きを急速に変える役目がある。それに、網下ろし、網揚けをするから8人〜10人ほど乗込む。網船は大型の船であったが、あとに至るまで動力化せず、手漕ぎ船であった。
2艘の網船が網の両端を曳いて、半円形に張ったときに、身軽な2艘の手船が網の前方から、魚類を網の方向へ追い込む。この追い込みには、厚板を叩いて、トンコ、トンコと音を立てながら進む。
ちょうど、網をすぼめながら、風呂敷のようにして、巾着網となってしまう。
ススキ、メナダ(ヤスミ)、チン、ヒラ、マナガタなどが獲れた。
網船に揚げたものは、生簀を備えた手船2艘に移し輸送にあたり、また、家への連絡役で、食糧を取りに帰るから、後には動力船になった。しかし、沖へ出るときは手船が2艘で、2艘の網船を曳航した。
総勢16人−20人ほどが4艘に乗込み、出漁した。手船は「通い船」ともいわれた。

出典:諸富町史P.1087