干潟漁撈と漁具

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干潟漁撈と漁具

■所在地佐賀市西与賀町
■登録ID173

干潟は、その位置によって泥土の状態が異なっており、沿岸から離れると離れるほど一般に泥土が軟弱となり、また、南西部の太良町の沿岸のように、泥土の少ない砂石の多い所もある。干潟の中にはエゴと呼ばれている大小無数の谷があって、そこには潮汐をたたえており、干潟の中もやはり複雑な地形を呈している。
この干潟漁撈には、主として簡単な道具を用いているが、一種の手取り漁撈であって、自家消費用にあてるために出漁しているものが多い。干潟に入る時は、堤防の所で着物を着替え、必要な道具だけを持っていく、煙草やマッチなどは、濡れたり汚れたりしないように帽子の中に入れておくのが安全である。潮が満ちてくるにつれて岸に戻り、エゴの水で身体を洗って堤防の上にあがる。干潟漁撈をすると、全身泥だらけになるので、干潟漁撈をする人を方言でドツキユウサンと呼んでいるところもある。
また、干潟上の目的地に行くために、歩いていく他に、押板で干潟の上を滑っても行けるし、また、舟でエゴを下って行くことができる。一般に歩行するものは堤防近くの干潟に多く、舟を利用するものは潮際近くの干潟まで出かける者が多い。
近年、有明海はノリ養殖によりその漁法はほとんど見られなくなった。

出典:西与賀の歴史とその周辺p61