■所在地佐賀市川副町 
■登録ID2027

 盆の準備は各家毎に墓掃除をする事から始まるが、特に定まった日はない。
13日の夜、迎え提灯を縁側に下げる。また、この夜12時頃に精霊さん迎えに筑後川端(大詫間)や鹿江の大川(支所南側の堀)などに行ったという。大詫間では若い娘が精霊迎えに行くとされ、帰りは背が重くなったという。
 盆の習慣は宗派によっても大分異なるが、精霊さんを迎えるために、仏壇にはソーメンやマチモウケのダゴを供える。盆の供物もまちまちであるが、西川副のある家(禅宗)の一例をあげると、15日夜半には精霊流しを、早津江川などで行う。初精霊は特に大きな舟をコモで編み、「精霊さん御馳走」をのせて流す。丑の時に潮が満ちてきた頃に流しに行くという。船津では16日に「やぶ入り籠り」と称して、夕方頃から地区の南の八大龍王に各戸から出て飲食をする。盆には、「油ショウショウ」といって、子供達が千燈籠を催すためにお宮の籠堂につるす提灯の油銭をもらい歩いた。(広江)

出典:川副町誌P.770〜P.772