大黒祭り

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大黒祭り

■所在地佐賀市川副町
■登録ID2034

 「子大黒さん」などともいわれ、12月の子の日に、大黒柱やナカエ(茶の間)の神棚にあげている大黒像をおろし、ほこりを払って座敷に飾る。昭和初期頃まで盛んに催されていたようであるが、その内客は次のようである。
○「子の日のぼた餅」を作る。この日は「大黒さんが計算を間違うといけないので、金は一銭も出さない」といい、床の間の前に大黒をおろし、算盤・股大根・煮物・頭付きの魚を添える。(米納津)
○カブ大根・二股大根をあげ、それを干して正月の吸物に入れた。(鹿江)
○大黒さんまつりは2日するといわれ、この2日間は銭でも何でも出したらいけないとされた。最初の日はあずき飯・2日目はぼた餅を食べた。大黒さんには算盤を添え、股大根の葉をつけて供え、それを縁先に干しておいた。(五軒屋)
○大黒さんに股大根をあげる。メカジャーのおつけ・煮〆・なます・頭付きの魚を供える。(西古賀)
 昭和52年12月に、東古賀の御厨新吾氏に依頼して、昔のとおりに実施していただいた。
 ここでは、「大黒さんは鮒が好き」・「一年中の算入をする」・「股のある大根がよい」などといわれる。翌日はあずきをつぶしておはぎをし、それを大黒さんに供えるし、股大根は煮付にして、元旦の朝に食べる。「大黒さんは欲が深いので、あずき御飯、おはぎまで食べて行かれる」という。
 祭神の大黒天については、大国主命であるとする説と、印度の神様である大黒天とする説があるが、発音が大国と大黒と同一であるところから混同されたものと考えられるが、いずれにしてもわれわれの祖先のこころをしのぶことができる。大黒天が座している俵は衣食住をあらわし、打ち出の小槌は幸運を打ち出す道具であるとされている。

出典:川副町誌P.775〜P.776