小隈山古墳

小隈山古墳

  • 小隈山古墳

■所在地佐賀市大和町大字川上 個人
■文化財指定状況佐賀県 史跡
■文化財指定日平成9年5月9日
■登録ID5323

嘉瀬川の西約2.5キロメートル、脊振山系南麓の独立丘陵上に立地する。丘陵は四方が比較的急峻な斜面をなしており、古墳は丘陵頂部の西側尾根上、標高約60~65メートルの位置に、ほぼ東西方向を主軸として築かれる。ほぼ真西に前方部を向ける前方後円墳で、全体が蜜柑園造成により改変を受けているものの、墳形自体は旧状をよく保っている。
墳丘は、全長約63メートル・後円部径約25~27メートル・前方部幅30メートルと推定される。周濠は持たない。
現況では葺石等は認められない。確認調査では円筒埴輪・形象埴輪が出土した。内部主体は明らかでないが、円筒埴輪の示す時期から後円部に横穴式石室が存在する可能性がある。出土遺物より6世紀中頃の築造と考えられる。
古墳は前方後円墳である点に加えて、佐賀平野西部における6世紀代の前方後円墳の中で最も規模の大きなものであり、墳丘もかなり良好に遺存している。また県下最大規模の船塚古墳(5世紀中頃)の系譜上にあるものと思われ、当地域の首長墓の系列を知るうえで重要な遺跡である。