嘉瀬川

嘉瀬川

■所在地佐賀市
■登録ID2671

 脊振山地に源を発し、佐賀平野を南流して有明海に注ぐ。115㎞。古湯、熊川の温泉地の渓谷を経て、川上峡の渓谷は風光明媚を誇り、佐賀、唐津、前原を結ぶ交通路となり、川上神社は扇頂に位置し、古代肥前の政治、文化の中心がここに立地していた。
 近世の初期成富兵庫の築いた石井樋から分流した多布施川の水は、佐賀城下の日常用水や農業用灌漑水に用いられた。
 なお嘉瀬川の本支流の河川が舟運による人や荷物の運搬に利用され、支流の多布施川、巨勢川、佐賀江、八田江、本庄江などには川舟が往復し、多布施川では川上までの川舟が用いられ、川遊びも行われていた。しかし水害も多く、治水については、成富兵庫による石井樋の築造のほか洪水に際して遊水池を設ける野越工法、今日では北山ダムによる流水調節などがなされている。

出典:鍋島町史p.147