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西宮塔
文字が書かれているエビスさんとして、最も多いのが、この『西宮』塔で、このほか『西の宮』『西ノ宮』があり、そのうち数の少ないのが『西の宮』塔である。エビスを西宮として祀るのは、エビスを祭神とする摂津国の西宮社の社名を用いたものである。エビスの文字塔は、幕末以後の造立で、文字塔そのものの造立年代が比較的に新しいと云うことがわかる。この文字塔は像と比べると、極めて安価に求めることができるという利点がある。この文字塔の出現は、単なる経済的な問題のみであろうか、集団的奉祀へとエビス信仰のあり方が変わった結果であろうか、とにかく、文字塔の出現は、エビス信仰の研究上注目される課題の一つであろうと考えられる。エビス文字塔には、自然石塔や切り石塔が多く、奇麗に整形し磨かれた駒形塔もある。材木1丁目の西宮塔は、造立年の明らかなものの中で古いものといわれ、文字の下方に鯛が一匹丹念に刻まれているのも他に例がなく、注目すべきものである。文字は『西宮』と書いてあるほか『恵比須大明神』 『西宮大明神』『恵美須尊』『蛭子命』『蛭子』等があるが、『夷塔』はなく、『夷』という文字には、異郷から訪れた神と云う意味が含まれていて、エビスに対する古い時代の考え方を伝えており、蛭子には神話の流れを伝えている文字だとも考えることができるようである。
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香椎神社四脚門 一棟
重要文化財
香椎神社は、安元3年(1177)ごろ、この地の地頭窪田因幡守藤原利常(くぼたいなばのかみふじわらとしつね)が、久保田村矢櫃の森という所に創建したが、天明ごろ現在地へ社地替えとなったと伝えられている。祭神は、神功皇后、応神天皇、住吉大神である。 この門は、神社境内に建つ1間1戸の四脚門で、神門あるいは楼門と呼ばれている。自然石を用いた礎石に角柱を建て、その柱に頭貫(かしらぬき)を通し、三斗(みつど)、実肘木(さねひじき)を組み、その上に桁を置いた簡単な構架である。屋根は切妻造の本瓦葦である。 しかし、その意匠は雄大であり、蟇股(かえるまた)やその他の彫物には、桃山時代の特徴である華麗かつ豪壮の余韻も認められる。この門の建立年代についての記録はないが、構造様式からみて、江戸時代初期ごろのものと推定される。 なお、全体的に荒廃の度がひどかったが、昭和37年に解体修理が施され、腐朽材は取り替えられ、後世の付設部分も取り除き、一新された。 県内には、この時期の様式を今に伝える木造の建造物はたいへん少ないことから、この神社の四脚門は貴重である。