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[旧佐賀市][ 道具]は11件登録されています。
旧佐賀市 道具
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押板
押板、はね板等と呼ばれているもので、干潟の上をすべっていく一種のスキーである。杉の一枚板の先端をとがらせて、反らしてあり、中央よりやや先端に近いところにのせる桶を安定させるための細い横木を取りつけただけの簡単な構造である。好みによって大きさは自由であるが、一般に砂地がかった干潟の所は小形のものが使用しやすいといわれている。 この押板は干潟の上を移動する際の乗物であるが、漁具や漁獲物を運搬するための道具でもあり、すぼかき、むつつり等の場合には欠くことのできない道具である。押板の上にのせた桶に手をかけて身体を支え、片膝は円座に当て、片足は干潟の上におき、その干潟の上においた足先で干潟をけって進むものである。押板の起源は不明である。
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たかっぽ
棲息孔に入っているムツゴロウが、干潟上にとび出る習性を利用して、捕獲する方法である。径4cm内外の真竹の節を1か所残して、長さ25cmぐらい切断した竹筒である。一端に残した節の中央に小孔をあけ、節のない方の端は内側を削って薄くし、内側にだけ開く簡単な針金のベンをとりつける。 ムツゴロウの棲息孔を発見すると、その孔の上にたかっぽの節を上にして立てておく、節の孔から光がもれているので、ムツゴロウは外へ出ようとして、竹筒の下方につけてあるベンを押し上げ、たかっぽの中に飛込むと、ベンが下におりて、ムツゴロウはたかっぽの外へ出られなくなってしまう。 たかっぽは、1回に数十個のものをたてて、一定の時間が経つと順次とりあげていく。この方法で難しい点は、干潟の棲息孔がどの方向にむいているかを見極めることであってその孔の方向にたかっぽも向けておかないとムツゴロウは入らないといわれている。 この方法は、大量捕獲に適し、余り技術を要しない。板鍬などで掘りとることの困難な軟弱な干潟のところでも可能であって、場所の制約を受けないという長所がある。
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てぼ
てぼというのは、ビクのことで、獲物を入れる竹製の容器である。大きな獲物のない干潟魚撈で欠くことのできないものは、中に入り混んだ泥土を出し易いように底は格小目の小孔があいている。 ムツゴロウ、ワラスボ、ハゼ、貝類等を入れるテボには、普通蓋はないが、カッチャムツ等を入れるものには、身と同じように竹へゴで編んだ凹みのある蓋を用いる。 てぼの特殊なものは、ガンツケガニを入れるカニてぼである。カニがはい上がらないように竹へゴを縦にのみ並べ、胴部を3か所余り紐で組んで形を整え、胴部に僅かばかり膨らみのある特殊な構造である。
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板鍬
ムツゴロウ、ワラスボ、ハゼ、アゲマキ、ガンツケガニ等を捕える場合に用いる特殊の鍬である。目的の棲息孔を発見すると、この鍬で泥土を掘りおこしながら棲息孔をおっていって獲物を手取りにするものである。 この板鍬の一種に、柄だけ木製で他に薄い鉄板で作られているものがある。これは普通の板鍬と同じようにムツゴロウ等を掘りとる時に用いられる他、ジイ貝をあげる時に用いられた。
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うなぎかき
うなぎの棲息地は、勘によって判断され、その場所につくと、両手でうなぎかきの柄を握りしめ、舟端に立ち、体側の前方から後方にかけて急速に泥土をかきあげる。うなぎは刃の先端についているするどい鈎にかかって引きあげる。
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むつかけ
棲息孔から出て、干潟の上にいるムツゴロウを釣りあげて捕える方法で、最も熟練を要する特殊な技法である。 つり竿は、径3cm内外で、長さ3m50cm余りの真っ直ぐな竹竿で、その細くなった竹竿の先端に長さ3m余りの麻糸を結びつけてある。その糸の先には、長さ9cm余りの細長い鉄棒が結びつけているが、その鉄棒の先端には長さ6cmの鋭い鈎が6本取り付けてある。 押板でムツゴロウが干潟上に匐遊(ふくゆう)しているのに気付かれないように静かに近づき、6m内外離れている所から竿の先に付いている鈎がムツゴロウの10cm程の先に落ちるように投げる。鈎が地面に落ちると同時に、素早く竿を手前に引き上げ、ムツゴロウを鈎にひっかけてつり上げる。 ムツゴロウは人の姿を見ると、すばやく孔に逃げるし、また、投げた鈎が手前に落ちたり、干潟の泥土に喰いこんだりすると釣れないので、非常に熟練を要する名人芸である。普通6か月位地上で練習するとか、1年間これのみ練習するとかいわれて、この技術を体得している人は少ない。
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いかり
かしの木で作ったもので、粗製ではあるが、頑丈に作ってある。 製作年代は明治の初め頃で大正年代まで使用したといわれている。
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ねじぼう
潮がまだ引かない時や、潮が引ききらない少し深めの所にいるうみたけを捕獲する道具であって、このねじぼうは、歩行者の用いるものと船の上から用いるものと2種類がある。丸太の先端に近いところに両端を少し折り曲げた鉄材を取り付けた簡単な構造である。 歩行者用のものは長さ1mほど、把手の長さ60cm、鉄材の長さ40cmで船から用いるのは歩行困難な深い場所を中心とするもので、把手の両端を握って、泥土中にめり込ませ、両手を回転した後に引き上げる。鉄材に、うみたけがくっついてくるので、それを取り上げる。 うみたけは、二枚貝であって、貝殻を下にして、上の方に長く肉身とを切断して引き上げるのであるから、熟練しないとうまくいかないという。
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あか
舟にたまった水を外に汲み出す用具。
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がんづめ
貝類をがんづめでかき集め、ザルに入れて、潮水の中でゆすり土砂を落としてから船に積みこむ。
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ハンズーガメ
江湖の水は月に2度「カラマ」の頃にわりあい澄む。昭和30年、水道の来るまで多くの家でカラマの水を汲んだ。桶を荷ないあるいはリヤカーに水箱を載せて。どこのカマヤ(台所の土間)にも人の入れるようなカメが2、3本据えられていた。寒の土用の水は殊に良いとされた。水道がきてからも、お茶用には汲む人もあったが、もう飲めない。 母親のヨソ行きに連れて行かれず淋しそうな子を「ハンズーかぶっとらす」と言う。