おくんち

おくんち

■所在地佐賀市東与賀町
■登録ID1083

9月9日の重陽を御九日(御供日)というが、佐賀では秋の祭りを一般におくんちと呼んでいる。東与賀町では10月19日前後に各地でおくんちが始まる。
10月15日−作出・中村、10月18日−立野、10月19日−大野、10月20日−中飯盛・住吉西・大授搦、10月25日−新村、11月15日−中割などであったが近年は仕事の関係で祭日も不定となったところが多い。
もとは、口あけ(祭りの準備)で始まり、安幕(前夜祭)、本祭、番帳送り(当番の引継ぎ)、カメ洗いと数日にわたる集落最大の行事であった。
いくつかの集落の祭りの様子を記しておく。
田中では現在は収穫前の日曜日に行う。もとは男児が天神さんの大鳥居、2か所の弘法大師、北天神、南天神の5か所に竹を組み〆縄をはっていた。
搦では昭和の初めまで、ワラスボ祭りと称して収穫前に赤飯、ミズイモのおつゆ、ワラスボなどで祭りをしていた。
今町では農家と漁家の二つの祭りが行われる。農家の祭りは餅祭りといい10月17日に伊勢太神宮で行う。
漁家の祭りは、三膳六膳祭りといって旧9月21日(現在は海苔作業の関係で不定)に行われる。
当番引継ぎの番帳送りのときに豊作を占うことがある。吸物わんに酒をなみなみとつぎ今年と来年の当番がくみかわし、三方に盛った米のうえに吸物わんをふせて、米がたくさんつけば豊作になるという。

出典:東与賀町史P1039