庚申講

庚申講

■所在地佐賀市東与賀町
■登録ID1088

庚申とは十干と十二支を組合せる暦の十干の庚(かのえ)と十二支の申(さる)のあわさる日または年で60日あるいは60年ごとにめぐってくる日をいい、この日は夜を徹して語りあかして一夜を過ごした。
庚申の本体ははっきりしないが、中国の道教思想にもとづく信仰といわれ、人体に潜む三尸(さんし)という虫が人の睡眠中に天にのぼり、その人の罪状を天帝に告げると天帝は罪の軽重により生命を縮めるので庚申の夜は眠らずに過ごし三尸の天上を防いだのである。
神道では庚申の申から猿と結びつき、天孫を道案内した猿田彦大神を庚申の神として祀った。また、仏教の影響をうけて青面金剛を本尊とする庚申信仰も広まり、大衆化が進んだといわれる。
江戸時代に隆盛をきわめた庚申待ちの風習も近年では日待・月待などの他の待ち行事に吸収されたのか、次第に衰微した。
庚申の文字塔が多いなかに、大野神社境内には寛文11年(1671)銘の脚下に鬼を踏む忿怒像の青面金剛像がある。

出典:東与賀町史P1052