八朔

八朔

■所在地佐賀市三瀬村
■登録ID1295

8月1日の行事で、各地に様々な習俗を伝えているが、稲作の進行にともなう行事である。この時季は静かに秋の稔りの豊穣を期待するとともに、210日の季節風を警戒する時でもある。
所によっては風祭りの日とされているが、多くは田誉め、作頼みなどと称して稲の穂出しを祈願する行事である。中世には武家社会や公家衆の間にも流行して、タノムの節供と呼ばれた。
 『神代家行事扣』にも、8月朔日、一たのもの祝の事、と記されている。昔は村をあげての行事であったらしいが、今では形式だけの行事になってしまったようである。
 『神代家行事扣』にはこのあと、9月9日の重陽の日に「一、鱠田いも・魚 一、煮物魚・一汁・一めし、同14日には、一休幕に付酒肴□□、同15日朝、一石飯・一いわし・一鱠 田いも・魚 一煮物 切りこんぶ・魚、一汁・一石飯めしと記してあるが破損していてよくわからない。
田いもとあるのは「くわい」のことでこの地域では「朝鮮ギャア」という。

出典:三瀬村史p647