蝦ゲンシキ網

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蝦ゲンシキ網

■所在地佐賀市諸富町
■登録ID1539

大正期の漁業
構成
網地、四本綿糸、一寸四分目、三百掛、長、八尺七寸五分のものを縦目に用ひ、之れを一把とす。
縮結、肩を二丈に、裾を三丈二尺五寸とす。
浮子(あば)、桐、長五寸二分、巾八分、厚一寸四分
沈子(びし)、陶製円筒形、長二寸、中央径六分五厘、両端四分、重六匁のものを四寸距に付す。
沈子綱、麻糸太径八厘のもの二本
棚糸、ユラと称す綿糸五厘、径長三寸のものを沈子二個に一本を付し中央迄折返して網を括り付け棚を作る。
漁法
肩巾六尺の漁船に、二人乗込み、網五、六十把を携へて出漁し、網の各把を縫合し、潮流の変り目に於て、網の一端に浮標及び浮標綱を付して投入し、潮流を横切りて網を下し、最後に十五斤乃至二十斤の石を付し、これより綱を船にとり(棚をば潮下に向けて)網と共に潮流に従ひ、徘徊し一潮を流し、停潮時に於て之を取上げ、更に次の潮に張り下す。
漁獲物
車蝦、エソ、チン、鱚にして、四、五百円の漁獲あり。
漁期
周年
漁場
筑後川尻より、福岡県三池大牟田、長崎県島原、熊本県三角、長州沖合に至る。海深、夏期は三尺〜三丈、冬期は五尋〜三十五尋、主として砂上に用ひ、時として砂泥地に行ふことあり。
(大正5年(1916)8月発行。県水産試験場『漁村調査報告』より。)

出典:諸富町史P.1074