エツ網漁
エツ網漁
■所在地佐賀市諸富町
■登録ID1576
日本で、筑後川だけにいるカタクチイワシ科のエツをとる。芦の葉に似た伝説の魚で、その稀少価値もあり、筑後川名物として賞味される。
この網はサシ(刺し)網を幕状にして、流れに直角に網を下ろし、両端に浮標をつけて流す。エツは網目にささる。水の澄む小潮の夜は燈火を灯して「夜流し」した。漁期は5月上旬から8月下旬で、規則により知事の許可を受けなければ操業してはならない。
戦前はエツの稚魚を2艘の船で、巾着網の小型の小繰網漁で操業した。
エツを追い込むために、舳先で厚板をトンコ、トンコと叩いていく風景が初秋の筑後川河口の風物詩であったが、今は見られない。
出典:諸富町史P.1089