年始(1月1日)

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年始(1月1日)

■所在地佐賀市嘉瀬町
■登録ID17

 年始は俗に「年とり日」と言われ、元旦の行事は家庭によって様々であったが一般的には朝早く起きて朝風呂を浴び、若水で顔を洗い、その年の恵方を向き、歳徳神に不老長寿、福徳円満、家内安全を祈念した。農家では、にわなか(土間)に歳徳さんの祭壇を作った。祭壇は臼を土台にして、その上に箕を置き、それに一升桝を立て年末についた餅、蜜柑、干柿等を飾っていた。家族全員が歳徳さんに礼拝をすますと座敷に年長順に座り、新年の挨拶を交わしてから屠蘇酒を飲んだ。
一通り屠蘇酒を交わす式が済むと鏡餅に向って「〇〇歳になりました」と宣言し、三宝に乗せてある昆布、スルメ等を頂いてから朝の食膳についた。朝の食事は各家庭によって様々であったようだが、お雑煮を食べるのが一般的に行われていたようである。その後氏神様や恵方にあたる神社に参拝しに行く人もいた。太平洋戦争までは、子ども達は学校での四方拝の儀式に参加していたが、戦後は家族中心の行事となり学校での儀式はなくなった。

出典:嘉瀬町史(P.143)