堀干しやごみ揚げ

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堀干しやごみ揚げ

■所在地佐賀市鍋島・開成
■登録ID1706

現在の堀はコンクリート護岸が施され、昔の面影は殆どなくなったが、昔は両岸には柳の木や芦が生い茂り、堀の幅も広く、深くて流れは清く、鯉や鮒、鯰などが沢山棲んでいて、夏は魚釣りドウケやウケ等の漁具を使っての魚取りは村民の楽しみだった。
 堀は所々に堰きで区切られ、色々と堀の名前が付けられて居て、管理は両岸の水田の持ち主で管理と決められていた。
 秋の供日が近づけば堀の持ち主が気の会った人を集めて堀干しが始められる。(堀を干した上で魚を捕る事)
 堀干しは下流から順々に始められ、堀の水は何時も流れて居るので、上流から始めると吐水が下流に流れ魚が驚いて逃げ出すので、堀干しは必ず下流から始められる。
 水車を何台も据え付けて水を汲出して堀を干上げて魚を取り、皆で分けて持ち帰り、昆布巻きや焼鮒子を作り、供日のお客のもてなしに利用された。
 又、春には人手を集めてごみ揚げ(堀の中のがた土)が実施され、昔は科学肥料も少なかったので水田の肥料にされ、又、堀は綺麗に清掃され、堀の底の日当たりの良い所にぬくめ(魚の居場所)等をつくり魚が棲み易い様に工夫して魚の繁殖に努めていた。

出典:開成かたりべp.88