夫婦石
夫婦石
■所在地佐賀市富士町大字粟並
■登録ID2824
栗並の宮の馬場、子安神社の川下にあるふたつの巨大な石を夫婦石と呼んでいる。ひとつは楕円形、もうひとつは上の方がもぎとられたように平たくて角ばっている。いつのころから夫婦石というようになったのかは、明らかでないが、肩をすりあわせて寄り沿うような恰好で並んでいることから、誰いうともなくそう呼びだしたのであろう。
大岩の近くには、カエルの置物も配され、平成2年より夫婦石祭りが行われていた。
別に袂石ともなまず石ともいうが、それにまつわる言い伝えがある。
むかし。権現さまがふたつの大きな石を両方のたもとに入れて、大なまずに乗って川をのぼってこられた。さしもの、大なまずでも石の重さに耐えかねてここまでくると動けなくなってしまった。権現さまは可哀相におもわれて、たもとの大石をここに降ろされた。石の下は魚だまりになっていて、たくさんの魚がいるが、地元では神さまの崇りがあるといって魚を捕ることは忌まれた。
出典:富士町史下p.625〜p.626