大串社(櫛田神社)の肥前狛犬 一対
大串社(櫛田神社)の肥前狛犬 一対
■所在地佐賀市富士町大字大串 大串社
■文化財指定状況佐賀市 重要文化財
■文化財指定日平成10年11月26日
■登録ID5210
肥前狛犬は16世紀末から18世紀前半代にかけ約150年間、肥前地方で製作された石造狛犬をいう。弧線と直線とをもって体の細部の表現を省くという大胆な表現法で造形するのが通形である。
阿像の像高39.7センチメートル、吽像の像高38.1センチメートルで、共に安山岩製で、保存状態が良く鑿痕や銘が明瞭である。
阿像は横一文字に細く口を開け、中央から舌を僅かに覗かせており、吽像はくいしばった歯をむき出しにしている。吽像の口元正面は上下の唇を開き、その下から噛み合わせた歯並みを表現し、その側面は左右共に鋸歯状にして、前面とは変化をつけた点が特徴的である。
顔面は偏平で、横長の大きな目の下には6条の弧線が刻まれ、吽像の額には4連続する弧線からなる皺が3段、阿像には4段刻まれている。頭頂部には角と思われる小さな突起が一つある。尾は、阿像吽像共に、天を向いた剣先形の浮き彫りで表現されている。
阿吽の像とも顎下から左右前肢の間に
寛文元
奉寄進 今村六兵衛尉
八月吉日
と、銘が彫られている。