木造薬師如来立像 一躯

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木造薬師如来立像 一躯

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■所在地佐賀市富士町大字中原 中原薬師堂(中原自治会)
■文化財指定状況佐賀県 重要文化財
■文化財指定日平成15年3月10日
■登録ID5311

中原薬師堂の薬師如来像は、像高161.3センチメートルで樟材の一木造りで、彫眼、漆箔で朱色の衣をまとい肉身は金色に彩色されている。右手を胸前にあげ、左手を垂下して薬壼を持つ。頭・体根幹部を両肩先から袖、足枘枘まで含み一材から彫りだしている。
彫りが深く、きびしい顔立ちは古様を重んじる伝統を感じさせ、天台宗の山岳仏教が盛んであった脊振山系の特徴を、よく表した立派な仏像である。等身大の仏像を1つの木材からほぼ丸彫りでつくり、部分的に内刳りを施している。衣文の彫出は浅く、体躯は扁平につくられ頬が張り、口唇と顎を強調した顔つきは個性的である。
薬師如来像の周りには、十二神将の朔像が並んで薬師如来像を護っている。この朔像の制作年代は不明であるが、薬師如来が祀られると同時に造られお護りをしてきたものと考えられる。薬師如来の手にある薬壺で、体の悪いところを撫でると良くなるという言い伝えもあって、遠くからお詣りする人が少なくない。
薬師如来像は、個性的な作風がみられ、脊振山系の仏教美術を考察する上で重要な作品である。