大願寺廃寺跡

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大願寺廃寺跡

  • 大願寺廃寺跡

■所在地佐賀市大和町大字川上 五社明神社
■文化財指定状況佐賀県 史跡
■文化財指定日昭和33年1月23日
■登録ID5322

佐賀市大和町大願寺地区の五社神社を中心とする一帯にあって、文献記録に登場しない奈良時代の寺院跡である。立地は山麓に近い標高約25メートルの扇状地上、肥前国庁跡から嘉瀬川を挟んで西方約2.5キロメートルの距離にある。
現存する遺構は五社神社境内に建物基壇(きだん)が残り、礎石約50個がおよそ4地区に分散している。その範囲はほぼ2町四方(約200メートル四方)であり、布目瓦(ぬのめがわら)の散布も同じ範囲であることから、寺域は肥前国分寺同等の規模と推定される。伽藍(がらん)配置は明らかでないが、五社神社地区に柱座の造り出しをもつ礎石が多く、かつ基壇が存在することから、この地区に中心的な建物にあたる金堂あるいは講堂の存在が考えられる。また、その東方約180メートルには東門に関係するであろう2孔を穿(うが)った礎石が1個残存する。
これまで出土した瓦には寺浦廃寺跡や基肄城(きいじょう)跡と同じ萢(はん)で造られた瓦がみられ、国分寺跡や国府跡とも合わせ、相互の関係が注目される。
なお、本廃寺跡は千葉県で出土した宝亀(ほうき)5年(774)銘鐘に記された「佐賀郡椅寺(はしでら)」にあたるという説もある。