巨勢郷では粟は作らない

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巨勢郷では粟は作らない

■所在地佐賀市巨勢町
■登録ID682

巨勢郷開拓の祖は巨勢大連であるが、現在の巨勢町内には住んでいない。実際に巨勢町内に家屋を構え住んだ人は立川阿波守が最初である。阿波守は第93代花園天皇の延慶年間に鎌倉の今泉村から下向し、今の下新村に住んだ。巨勢大明神を瓦町の老松明神の森から現在地に移し祀ったのも阿波守で、住民の面倒をよくみた。ところが、ある日のこと、この阿波守が領内巡視の際ふとしたはずみで粟のとげで目をついて苦しまれた。それで巨勢の住民は大変にはばかって、その後は粟を作らないようにしたといわれる。

出典:巨勢P.30