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[指定文化財][有形民俗文化財][三瀬村]は2件登録されています。
指定文化財 有形民俗文化財 三瀬村
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有蓋類形板碑(鳥獣供養塔)
重要有形民俗文化財
杉神社の鳥居と道路を距てた杉林の中に立っている本碑は、県下に10数基ある鳥獣供養塔の中でも最古の在銘碑である。塔形は方盤の基礎の上に板状梯形の碑身を立て、寄棟造りの笠蓋を頂くもので、類形板碑の一種で、総高130.5センチメートルである。 碑身の上部に四角の浅い龕を彫り、中に如来形坐像を浮彫り、その下に三行銘を刻み、下部に鳥、鹿、猪の三鳥獣を線刻で描いたものである。 銘は 従十八歳至五十歳猟師山本軍助 山本軍助利恭 慶長十七壬子年十一月 とある。本碑の造立には伝説が伴う。 山本軍助の祖先は、山内の城主神代氏に仕える武士であったが、軍助は猟師となって、十八才の頃から狩猟に専念し、猪百頭を仕止める志を立て、五十才にして既に九十九頭を射止め、あと一頭で念願達成という時、物の怪に悩まされ、殺生の罪深きを悔悟し、一念発起して仏道に入り、これまで殺傷した鳥獣の供養塔を建てて、その霊を弔ったのが本碑であると伝えられる。 同類の供養塔中最古の在銘碑として貴重であり、供養対象とした鳥獣を描画している点でも希少の存在である。
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六尊六地蔵塔
重要有形民俗文化財
詰瀬集落の路傍、石垣積みの上にあり、総高118.0センチメートルで、基礎、竿石、中台、塔身、笠蓋の五石で構成されている。 塔身を、上下各6区に分ち、その中に上段に六尊坐像、下段に六地蔵の立像を彫り出したもので、上下12体の尊像が彫られている。つまり輪郭が12の仏龕(ぶつがん)が形造られており、その中に像が彫りだされている。地蔵尊像は通例の六道巡錫の姿であるが、六尊像は、損傷が多く、明確に像の種別を判じかねるが印相には合掌、上品上生、施無畏、与願のものなどがあるように見受けられる。無銘であるので造立年代は詳らかでないが室町中期頃と推定される。 六尊六地蔵塔の多くは丸彫式の造塔であるが、本塔は仏龕式の方式に造形されている唯一の遺物である点で貴重である。