久留間遺跡

久留間遺跡

■所在地佐賀市大和町川上
■登録ID2221

出土品=石器類、土器類、種子類等
この遺跡は「久留間カミ塚遺跡」という。「カミ塚」というのは、弥生式土器のカメなどがたくさん出たことから土地の人が「カメ塚」を「カミ塚」に転化しただろうといわれている。
大和町で学術的発掘調査をされた最初の遺跡である。昭和24年(1949)ジュディス台風によって、東平川の堤防が決壊しようとしたので、それを補強しようとして、耕作地から土を掘り起こした時、多数の土器が出土したことに端を発し、昭和25年(1950)九州綜合文化研究所が中心になって調査した。遺跡の推定面積は約6500㎡で、調査したのはそのごく一部である。4つの住居跡の断面が確認され(未確認1)、竪穴住居が主であるようだが、発掘されていないので住居の形態や構造は明らかでない。
又泉と1.75mの隅丸方形の「洗い場」が発見され、洗い場からは、木わくか土止めに使われたと見られる木材と足場に当たる所には葦が敷きつめられていた。遺物の中で、石器としてはサヌカイトの打製の柳葉(やなぎば)式の石鏃や石庖丁、磨石(すりいし)、凹石(くぼみいし)等が出土しているがその数は少ない。
土器は中期の須玖式も若干あるが、後期の高三瀦式が中心で壺、高杯(たかつき)、浅鉢、甑(こしき)、器台等が著しく多数出土しているのが注目され、ロクロを使った土器もあるので、窯跡(かまあと)ではないかという説もあるが、これは今後の発掘調査を待つより外にない。
植物の種実としては、もみがら、瓜の種、そば等の栽培植物の種子が検出され、そのほか山グミ、シイ、クリ、ドングリ、アカガシ、白ダモ(くすのき科)レンゲ等の種子が出土している。

出典:大和町史P36〜37

地図