観音堂

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■所在地佐賀市富士町大字中原355
■登録ID2768

 観音堂は、麻那古峠へ通じる谷頭の地に正念寺に隣接して建っている。現観音堂は大正9年に再建されたもので、大正13年8月の大火による類焼は免れている。板壁に掛けてある大きな絵馬は、すべて大正2年1月に奉納されたものである。天井の絵もその折り描かれたものであろうと思われる。絵は元唐津藩の御用絵師であった、狩野派の流れを汲む雪渓立峰によって描かれた立派なもので、天井の竜の絵に落款がある。永い年月を経て絵の具の色が少し落ちてきているのが惜しまれる。
慈悲深く温顔豊かな観世音菩薩像は金銅の立像(像高約2m)で光背のある、蓮華の一枝を手にされた立派なもので、金銅張の厨子の中に安置されている。製作年代等は今のところ不明。
 天井の絵馬の大半は、中原の住民の奉納で次に多いのが大野、麻那古・大串・上無津呂・下無津呂、さらに糸島郡深江や二里村(伊万里)鹿島・多久・牛津・久保田・久保泉と遠くからの奉納もあって信仰者の多かったことが窺える。
 

出典:富士町史下p.775〜p.778

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